アメリカ行きを決めるかの審査
2023年11月。
前の職場の寿司レストランから長期休暇の日本帰国の時に
「候補生がいるから、彼の寿司を食べてレポートしてきてほしい」
と連絡がありました。
いわば“覆面チェック”のような役目です。

彼が握る寿司を一貫一貫丁寧に味わい、ネタの切りつけ、握りの形をレビュー。
写真や動画も撮影し、そのまま会社の上層部へ送りました。
画面越しでも伝わる熱量と誠実さがあり、
「これは大丈夫だ」と感じたのを覚えています。

結果、彼は無事採用。
半年後、同じマイアミの現場で一緒に働くことになりました。
寿司アカデミー出身で、カナダ在住経験もあり英語も堪能。
技術もコミュニケーション力も申し分なく、これからが楽しみな存在でした。
生活に慣れてきた所での大きな決断
あれから2年。
彼が、この1ヶ月で大きな決断をしました。
マイアミを離れ、オランダで新たなチャレンジをするというのです。
働くのはマグロ専門のおまかせレストラン。
ヨーロッパの中でも感度の高い食の市場で、自分の腕を試すそうです。
実は、僕の周りでオランダへ行く友人はこれで2人目。
話を聞くと、オランダは比較的ビザが取得しやすい国として知られています。
特に高度技能移民制度(Highly Skilled Migrant)を活用すれば、
スポンサー企業があれば手続きがスムーズに進みやすいとのこと。
英語が広く通じ、スタートアップや外資系企業も多いため、
外国人が働く環境が整っています。
さらに、オランダはEU圏内での移動がしやすく、
将来的にヨーロッパ全体へ展開する足がかりにもなる。
税制やワークライフバランスの面でも魅力があり、
飲食業でも質の高い日本食への需要が伸びていると聞きます。
アメリカの就労ビザが年々厳しくなっている今、
ヨーロッパに目を向けるのは現実的な選択肢かもしれません。
環境を変えるのは勇気がいります。
でも、寿司という武器があれば世界のどこでも勝負できる。
彼の背中を見て、改めてそう感じました。
僕はこれから日本へ戻り、
新しい挑戦としてみやこんじょを継ぎます。
彼はオランダへ。
進む道は違っても、それぞれが自分の市場を見極め、自分の物差しで選んだ挑戦です。
場所は違えど、目指すのは同じ。
世界のどこかで、これからもまた誰かの記憶に残る一貫を握っているはずです。

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