2代目は楽なのか?
「2代目は楽だ」
「2代目は店を潰す」
事業承継の話になると、だいたいこの二つの言葉を聞きます。
そして正直に言えば、どちらも間違っていないと思っています。
僕は小学生の頃から、店でお皿洗いの手伝いをしていました。
大学生になれば、飲み会の場所は自然とみやこんじょ。
アルバイトもみやこんじょ。
気づけばいつも、仕事をしている父親の背中を見て育ってきました。
それでも当時は、
「この店は絶対に自分には継げない」
そう思っていました。
理由は単純で、
当時かなりの人見知りだったからです。
知らないグループの中に、
空いたグラスを持ってグイグイ入っていく。
初対面の人と自然に会話を回し、場を盛り上げる。
そんなこと、僕には到底できないと思っていました。
では何故考えが変わったのか?
それでも今、こうしてみやこんじょのことを考えているのは、
小さい頃からの思い出や、
海外に住む機会を与えてくれたこと、
何不自由なく育ててくれたこと、
そして何より、長年通ってくれている常連さんたちの存在があるからです。
一時帰国のたびにみやこんじょでお寿司パーティをやっていましたが呼べば90%以上の参加率でした。
こんなに愛されている店は中々ないと感じました。

それらを全部ひっくるめて考えた時、
父が大事にしてきた「みやこんじょ」を
父親の代で潰すわけにはいかない
そう強く思うようになりました。
2代目の立場とは?
2代目は、ゼロから何かを生み出していません。
店名も、場所も、常連さんも、信用も、
すでにそこにあります。
それは初代が、何年、何十年とかけて築き上げてきたもの。
2代目はそれを、引き継いだ初日から持っている。
そういう意味では、確かに「楽」です。
一方で、2代目は一番店を潰しやすい立場でもあると思います。
なぜなら、
守るものが多いから。
常連さん、歴史、先代のやり方、
そして「昔は良かった」という記憶。
何かを変えようとすれば反発があり、
変えなければ時代に置いていかれる。
その板挟みの中で、
判断が遅れ、決断が鈍っていく。
特に難しいのは、
常に先代と比較されることです。
味、雰囲気、接客、店の空気。
良くなっても
「先代のおかげ」。
悪くなれば
「2代目のせい」。
これは売上よりも先に、
じわじわと心を削っていくでしょう。
最も気をつけること
2代目が一番やってしまいがちなのは、
中途半端な改革だと思っています。
全部は変えられない。
でも、自分の色は出したい。
その結果、
誰の店なのかわからなくなり、
常連さんも新しいお客さんも離れていく。
こうして
「2代目は店を潰す」
という現実が生まれるのだと思います。
2代目のあり方
じゃあ、2代目はどうあるべきなのか。
今、僕がたどり着いている答えは、
「継いだ」のではなく、「預かっている」
という意識を持つことだと思っています。
店の主役は自分ではない。
主役は店そのものと、その歴史。
2代目の仕事は、
派手に変えることではなく、
潰さずに、また次へ渡すことだと思っています。
自分を出すことより、
残すことを選ぶ。
評価されなくても、
自分の名前が残らなくても、
店が続いて、
お客さんが楽しく帰ってくれたら、それでいい。
それが、
僕なりの
「二代目という在り方」
だと思っています。
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