新宿みやこんじょ継承記No.41 〜「東京出身」の肩身の狭さからの脱却〜

突然ですが、皆さんは自分の「出身地」に誇りを持っていますか?
実は僕、生まれも育ちも生粋の「東京っ子」です。
今回は、そんな僕が宮崎の魅力が詰まったここ「みやこんじょ」で働きながら、日々感じている葛藤と気づきについてお話しさせてください。

アメリカで武器になった「TOKYO」のブランド力

かつて僕がアメリカでシェフとして働いていた頃、現地のお客さんとの会話でほぼ確実に向こうから聞かれる質問がありました。

「ヘイ、シェフ! 日本のどこ出身なんだい?」

そんな時、僕はいつも自信と誇りに満ちあふれた笑顔でこう答えていました。

「東京出身だよ! 東京には行ったことある?」

すると、「おー! 東京か、クールだね! 〇〇に行ったことがあるよ!」と、一気に会話が弾むのです。
あるいは

「東京のどこ?」

と聞かれれば、

「新宿の近辺に住んでいて、親父の居酒屋が新宿駅の近くにあるんだ」

と返す。
それだけで、どのお客さんとも間違いなく場が盛り上がりました。

海外において「東京」という場所は、アメリカでいうニューヨークやロサンゼルスと同じくらい、圧倒的にクールでエキサイティングなブランド。
余計な説明を一切必要とせず、初対面のお客さんとも一瞬でスムーズに心の距離を縮められる

「東京生まれ」

というバックボーンは、当時の僕にとって大きな誇りであり、最強のコミュニケーションツールでした。

新宿歌舞伎町のど真ん中で、まさかの「恐怖」に怯える日々

ところが、日本に帰国し、ここ「みやこんじょ」で働き始めてからはどうでしょう。
肩身が狭いのです。

歌舞伎町のど真ん中でここまで「自分の出身地」を激しく意識させられる職場は、間違いなくここだけではないでしょうか。

今では、毎日お店でお客さんから投げかけられる、

「お兄さん、宮崎のどこの出身ね?」
「私、都城から来たとよ!」

という温かい言葉の数々が、東京生まれの僕にとっては、ちょっとした“恐怖”でしかありません。

「高原町友会」での出会いと、プロの格好良さ

イベントでいただいたパンフレット

そんな僕に、先日とても貴重な転機となる機会がありました。

「第28回 関東高原町友会総会」への参加です。

高原町(たかはるちょう)といえば、自然豊かで「神武天皇生誕の地」としての歴史を持ち、
ふるさと納税が3年連続で過去最高額を更新するなど、今とても勢いのある話題に事欠かない地域です。

そして何より、みやこんじょの名物である「お誕生日会」の直前に必ず流れる『みやこんじょテーマソング』
これを歌われているシンガーソングライターの大野勇太さんは、まさに高原町のふるさと大使を務められている方です。

この日、僕は大野さんと初めてお会いし、ご挨拶をさせていただく機会に恵まれました。
さらに、目の前で圧倒的な生歌演奏を聴かせていただいたのです。分野こそ違えど、人の心を一瞬で魅了する

「プロフェッショナル」の姿は、理屈抜きで本当に格好いいと心から痺れました。

なんとその後、大野さんには「みやこんじょ」の店舗にも足を運んでいただき、
お店でもお誕生日の歌を披露していただいたのです! 最高にありがたい話です。

イベント後にご来店いただいた高原町友会のメンバー

宮崎出身じゃない僕だからこそ、できること

高原町の皆さんの温かさに触れ、大野さんのプロの仕事ぶりを間近で見たことで、僕の心境にも大きな変化が生まれました。

「宮崎出身じゃないから……」と気後れしている場合ではありません。
宮崎出身ではない僕だからこそ、宮崎から来られたお客さんや、宮崎を愛するお客さんがご来店された際に、

「へえ、そんなことまで知ってるの!?」

と驚かれるような話題をたくさん提供できるようになりたい。
もっともっと宮崎の歴史や文化、地域の魅力をどん欲に学び、吸収していこうと強く決意しました。

東京生まれのプライドは胸に秘めつつ、心は一丁前に「宮崎人」を目指して。
これからも学ぶ姿勢を忘れず、皆さんに最高のおもてなしと楽しい会話をお届けしていこうと思います!

大野勇太さんと。宮崎県を盛り上げる歌を沢山歌われています。
マスター

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この記事を書いた人

宮崎居酒屋「みやこんじょ」二代目。
アメリカで寿司職人を経験後、父の店を継ぐ決意をしました。
人と人がつながる場所としてのみやこんじょを、次の世代へつないでいきたいと思っています。
二代目としての日々や、店のリアルを発信中。